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10年後も色褪せない【鯖江の名作】セルロイド製眼鏡3選

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国産眼鏡の産地「福井県鯖江市」。実に日本製眼鏡の約96%が鯖江で作られています。世界トップクラスのチタンの加工技術や、熟練した職人によって丁寧に作られた鯖江の眼鏡は世界有数の産地にまで成長しました。

しかし、中国製眼鏡の安売り店の出現が産地・鯖江に大きな打撃となり未だに倒産や廃業を余儀なくされる鯖江の企業・職人は後を絶ちません。

今回は失われつつある日本の伝統産業の一つ「古の素材・セルロイド」を使用したハンドメイドメイドフレームの特徴やアフターケア方法。そして、10年後も色褪せない傑作のセルロイドフレームをご紹介したいと思います。

 

 

 

セルロイドの特徴

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出典元:https://megane-sozai.com/pickup/2892/

セルロイドは1856年に生まれた歴史上初の人口樹脂であり、加熱すると柔らかくなり冷却すると硬化するという特徴があります。

また、一般的に石油を主原料とするプラスチックが多い中で、セルロイドは綿やパルプなどの植物繊維素を主原料に製造されているのも大きな特徴です。

セルロイドは温かみのある色柄と形状の保持性が高いことから眼鏡フレーム以外にもギターのピックや理髪店のクシ、ペン軸などにも使われている素材です。

しかし、価格が高価であることや可燃性があることから大量生産には向かないため、徐々に眼鏡業界でも使用されなくなっています。

セルロイド製眼鏡の【長所】

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出典元:https://megane-sozai.com/pickup/2138/

セルロイドの最大の長所は「形状保持性」と「質感・光沢」です。眼鏡で使用されるセルロイドは3年間素材を寝かせたものを使用しており、乾燥して変形がほとんど見られません。鯖江の伝統製法である「ノー芯製法」も変形の少ないセルロイドならではの製法です。

また、植物由来から作られる素材ならではの独特の質感や光沢があります。使用することで失われる艶も、研磨をかけることで何度でも光沢を取り戻すことができるのもセルロイド製眼鏡の良さです。

セルロイド製眼鏡の【短所】

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短所は石油製プラスチックと比べ「高価」であることや紫外線の影響を受けやすく、素材が「劣化・硬化」することです。

特に日常的に使用する眼鏡は紫外線には多く晒されることから、定期的なメンテナンスが必要となります。素材のひび割れや、破損を引き起こす前に状態をプロの方に見てもらうことで永く愛用することができます。

メンテナンス

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アルコール系の有機溶剤に弱いセルロイドは、整髪料の種類によっては「白く変色」することがあります。また、吸水性があるため汗などで表面が劣化します。

こういった場合は「研磨」することで、セルロイド本来の光沢を取り戻すことが出来ます。着用頻度にも寄りますが、2年に一度は眼鏡店でプロの方に相談すると良いでしょう。

修理

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眼鏡を使用していると不慮の事故で破損することがあります。しかし、セルロイド製の眼鏡はほとんどの商品がハンドメイドで造られていることから修理・復元が可能です。

万が一の場合は諦めずに一度取り扱い店に相談してみると良いですよ。

セルロイド製眼鏡オススメ3選

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金子眼鏡【泰八郎謹製】

https://a.r10.to/hD6pv2

金子眼鏡がプロデュースする鯖江を代表する眼鏡職人「山本泰八郎」によるハンドメイドフレームです。山本氏は一人で全ての工程をこなす稀有な存在で、日本だけでなく海外からも高く評価されています。

シルバー925のカシメ飾りを埋め込んだプレミアシリーズでは、「5枚丁番」や「ノー芯製法」といったこだわり抜いた製法で、今のクラシックブームの火付け役ともなった存在です。

アパレルブランドとのコラボレーションも有名で、「SOPH(ソフ)」や過去には「ナンバーナイン」などとのコラボがありました。

https://a.r10.to/hy0Eef

増永眼鏡【光輝】

https://a.r10.to/hleJKx

日本最古の眼鏡メーカーである増永眼鏡から人気はシリーズ「光輝」です。無駄な装飾を一切省いたシンプルなデザインは、不思議な魅力があります。

光輝には数多くの種類が存在し、その中から自分に合うお気に入りを探すのも楽しみの一つです。

BJ CLASSIC【JAZZ】

https://a.r10.to/hwNXUo

星野源をはじめ芸能人愛用者も多いブランドBJ CLASSICの名品「JAZZ」の中でも、リバイバルエディションは職人による日本の伝統技術を復刻させたラインです。

1950年代にビルエヴァンスを初めとして多くのジャズメン達に愛されたモデルを復刻したこちらのモデルは時代を越えて愛される名品です。

まとめ

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失われつつある日本の伝統産業の一つ・セルロイド製のハンドメイドフレーム。私は10年ほど前にオススメで紹介した「泰八郎謹製」に出会い、未だに愛用しています。

セルロイドは綿やパルプなどを主原料にした合成樹脂であるためか、肌に吸い付くような掛け心地と変形少なさ、独自の艶(ツヤ)が最大の魅力です。

白く乾燥した箇所が目立ったきたら研磨を含めたメンテナンスをすることで10年以上も愛用出来ます。

セルロイド製眼鏡は世界に誇る鯖江の伝統技術を最も堪能できる眼鏡。一本を永く大切に使いたいという方にはオススメとなっています。